会長ご挨拶

紫雲書道会会長 神野薫苑

紫雲書道会は、昭和5年(1930)に藤田讃陽先生によって創設されました。藤田讃陽先生は明治26年(1893)香川県丸亀市に生まれました。香川県女子師範学校等の教職を経て、昭和7年(1932)に上京し、文検(文部省師範学校中学校高等女学校教員検定試験の略称)の指導者として名に残る活躍いたしました。讃陽先生の指導を受け、その後書道界で活躍された方々には、鈴木翠軒、石橋犀水、安藤聖玄、日比野五鳳、桑原江南、伊東参洲、上條信山、氷田光風、布施翠峯他多数の名書家達が名前を連ねています。その他の業績も多く、日本女子大学や東洋大学の書道講師、全国各地に教師育成のために講習会をしてまわり、精力的に書道教育に尽力をつくされました。

 

 このような讃陽先生の志を受け継ぎ、紫雲書道会は80有余年を積み重ね『教育書道』のさらなる充実のために今日に至っています。“美しく正しい日本の文字”を書きたいという志を持つ人達のために、そしてその人達の指導者となる人を育てるために、現在も讃陽先生の志の原点に戻り歩みを続けています。

 

機関誌『紫雲』を毎月発行しています。毛筆部門では一般向け(高校生以上)に書体の変遷を学びながらお稽古ができるようにと、楷書、行書、草書、隷書、篆書、仮名、調和体を参考手本として掲載しています。小学生向きには、ひらがな、漢字、中学生向きには、楷書、行書、仮名の手本が掲載されています。さらに、日常の実用にも役立つように、硬筆部門では、一般から幼児までの鉛筆、万年筆の手本を掲載しています。

 

毎月提出された課題は審査員の先生により審査され、それぞれの力の応じた段級が与えられます。規定のレベルに達した会員のために、年一回師範試験を行い、合格者には本会が認定書を授与し、「師範」として登録されます。

 

 本会の大きな行事として「紫雲書展」があります。毎夏、セントラルミュージアム銀座で開催しています。日頃『紫雲』で学んでいる一般会員が出品できる公募展も同時開催します。公募の部の優秀作品には、褒賞があり、その中でも特に優秀な作品には受賞後、紫雲書道会研究会員として同人へ推挙されます。さらにより研鑽を積むことによって、毎月課題の担当者として、支部長として、本会の運営にも直接関わっていけます。

 

 まずは、自分の名前がしっかり書けるようにという最も身近なことから始まり、どこまでも拡がっていく「書」の世界に興味をもち、第一歩を踏み入れてください。